脳と発達
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脳血管造影から見たCerebral vascular malformationの最近の考え方
medullary venous malformationを中心に
奥寺 利男Yun Peng Huang林 隆士福島 武雄太田 辰彦前原 史明福住 明夫井原 清津波 満三谷 哲美松石 豊次郎福井 仁士朝長 正道
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1985 年 17 巻 2 号 p. 126-137

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抄録

小児期頭蓋内血管性病変の主要なものの一つである脳血管奇形をとり上げ, 同病変に対する最近の神経放射線学的考え方についてMedullary venous malformation (MVM) を中心に述べた. テント上MVMは脳血管造影上, その灌流路がcentral medullary v. を介して, 脳表静脈にいたる型と, longitudinal caudate v. of Schlesingerを介してsubependymal v. にいたる型に分けることができる. 興味あることは, これら灌流路の周辺静脈には低~無形成ないしは閉塞 (intrauterineないしpostnatal) が存在することである. また, MVMの中には明らかに動脈相ないし毛細血管相に異常を認め, AVMとの鑑別が問題となる症例やAVMとMVMとが共存する例があり, 両者の発生機序を考える上で, 従来の概念とは異なる新たなる脳血管造影所見の解析が必要である.

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© 日本小児小児神経学会
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