抄録
2回以上の熱性けいれんの既往がある8カ月~4歳11カ月 (平均2歳6カ月) の患児40例を対象に, 発熱時にdiazepam (DZP) シロップの間歇的経口投与を行い, 本法による熱性けいれんの再発予防効果を検討した.
6カ月~2年2カ月 (平均1年1カ月) の経過観察期間中に, 全対象で38℃ 以上の発熱を112回認め, このうちDZPシロップの間歇投与法を施行した回数は89回 (施行率79.5%) であった.観察期間中の熱性けいれんの再発回数は13回 (総発熱回数に対し11.6%) であったが, 今回の調査ではDZPシロップ投与後に再発を認めたケースは皆無であった.
DZPシロップの発熱時間歇投与は, 投与時期さえ失しなければ, きわめて有効な熱性けいれんの再発予防法と思われる.