脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
先天性パラミオトニアにおけるMexiletineの効果
根津 敦夫山下 純正三宅 捷太山田 美智子岩本 弘子三杉 信子
著者情報
ジャーナル フリー

1986 年 18 巻 3 号 p. 236-237

詳細
抄録
新井と我々らが報告した先天性パラミオトニアの1例に, 抗不整脈剤Mexiletineを経口投与し, 著効を認めたので報告する.
症例は17歳男子で, 寒冷時に増強する典型的なparadoxicalmyotoniaを示し, 1年間acetazolamideの間歇投与を受け経過観察されたが, その効果は不充分であった.しかし, Mexiletine200mg/日の経口投与により, 著明なmyotoniaの自覚的改善を認め, さらに20 Hz tetanizationによる誘発筋電図, 前腕氷冷10分後の室温での随意運動にても客観的に有効性が証明された.Mexiletineはclass 1 bに属する抗不整脈剤で, Nachannelを抑制し, 活動電位持続時間を短縮させる.本症例に優れた効果を示したことは, 本剤が他のミオトニアを示す疾患でも試みる価値のある薬剤と考えられる.
著者関連情報
© 日本小児小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top