脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
脳梁欠損症の研究
臨床的・脳波学的研究
下泉 秀夫宮尾 益知澤 立子宮本 信也谷野 定之山本 佳史鴨下 重彦
著者情報
ジャーナル フリー

1986 年 18 巻 4 号 p. 261-268

詳細
抄録
脳梁欠損症12名 (うち1名は脳梁脂肪腫) の, 血族結婚の有無, 家族歴, 胎生期の異常, 生下時体重, 合併奇形, 発達指数または知能指数, てんかんの有無, 脳波所見について検討した. (1) 在胎6カ月までに切迫流産を4名に認めた. (2) 7名に, 小頭症, 小脳低形成, くも膜下嚢腫等の中枢神経系の奇形を, 9名に顔面, 指趾等の他の奇形を合併していた. (3) 11名に精神運動発達遅延を認め, 10名の発達指数または知能指数は50以下であった. (4) 8名にてんかんの合併を認め, 点頭てんかんの既往は1例にのみ認めた. (5) 脳波では覚醒時または睡眠時において左右差を示す例が多く, 4例に睡眠時紡錘波の非同期性が見られた. 脳波における左右差の存在は脳梁欠損症に特徴的と思われた.
著者関連情報
© 日本小児小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top