抄録
脳梁欠損症12名 (うち1名は脳梁脂肪腫) の, 血族結婚の有無, 家族歴, 胎生期の異常, 生下時体重, 合併奇形, 発達指数または知能指数, てんかんの有無, 脳波所見について検討した. (1) 在胎6カ月までに切迫流産を4名に認めた. (2) 7名に, 小頭症, 小脳低形成, くも膜下嚢腫等の中枢神経系の奇形を, 9名に顔面, 指趾等の他の奇形を合併していた. (3) 11名に精神運動発達遅延を認め, 10名の発達指数または知能指数は50以下であった. (4) 8名にてんかんの合併を認め, 点頭てんかんの既往は1例にのみ認めた. (5) 脳波では覚醒時または睡眠時において左右差を示す例が多く, 4例に睡眠時紡錘波の非同期性が見られた. 脳波における左右差の存在は脳梁欠損症に特徴的と思われた.