脳と発達
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排尿によって誘発されたと考えられるてんかんの8歳女児例
山谷 美和村上 美也子紺田 応子小西 徹鈴木 好文岡田 敏夫本間 一正
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キーワード: 排尿失神, 反射てんかん
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1987 年 19 巻 1 号 p. 58-62

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抄録
排尿によって誘発されたてんかんと思われる女児例を報告した.症例は8歳.排尿時あるいは直後, 右上肢に力が入らなくなり右下肢の間代性けいれんに至る発作が出現.発作が長く続くと強直間代性けいれんに至ったり, 意識減弱を伴うこともあった.carbamazepineの投与により発作の抑制が認められたが, 減量に伴って再発発作時脳波は約2Hzの全汎性不規則棘徐波結合を呈していた.本例は, 臨床発作像・抗けいれん剤の効果・発作時脳波等から, 従来より報告されている排尿失神とは異なり, てんかんの一型と考えられた.
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© 日本小児小児神経学会
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