脳と発達
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19 巻 , 1 号
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  • 藪内 百治
    1987 年 19 巻 1 号 p. 2
    発行日: 1987/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 小西 行郎, 栗山 政憲, 三河 春樹, 鈴木 順子
    1987 年 19 巻 1 号 p. 3-8
    発行日: 1987/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    比較的リスクの少ない未熟児を出生直後より仰臥位で保育した44名 (仰臥位群) と腹臥位で保育した37名 (腹臥位群) に分け乳幼児期の姿勢や利き手との関係を比較検討した.コントロールとして正常成熟児53名を用いた.asymmetrical head turning (AHT) は仰臥位群で右側のAHTが著明であり, このAHTは頭の変形, 脊柱の彎曲および利き手, 外旋歩行と密接に関係していた.正常成熟児でもこの寝ぐせと乳幼児期の姿勢や利き手との関連は示唆されたが未熟児に比べてその影響は小さかった.腹臥位群では, 寝ぐせは頻度も少なく, したがって頭の変形, 脊柱の彎曲なども少なかった.利き手は両手利きが多いのが特徴的であった.
  • 阿部 啓次郎, 井上 登生, 平野 英敏, 入江 勝一, 内田 智子, 大府 正治, 緒方 博子, 満留 昭久, 奥寺 利男
    1987 年 19 巻 1 号 p. 9-15
    発行日: 1987/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    当院小児科を受診し, CTスキャンにて大脳基底核石灰化を認めた13例について検討した.最終臨床診断は, 偽性副甲状腺機能低下症4例・特発性副甲状腺機能低下症1例・Cockayne症候群1例・ミトコンドリア脳筋症1例・脳腫瘍2例・先天性ネフローゼ症候群1例・不明3例であった.石灰化の部位は, 淡蒼球を中心とするものが11例と大多数を占め, 周産期の障害が石灰化の原因と思われる2例のみが淡蒼球以外であった.一方, 錐体外路障害を認めたものはCockayne症候群の症例のみで, また頭蓋単純写においても石灰化が認められたのはCockayne症候群と頭蓋咽頭腫の各1例のみであった.小児では成人の場合のように加齢による石灰化が考え難く, 大脳基底核石灰化を認めた場合はその原因となる全身性疾患の有無を精査すべきであると思われた.
  • 神田 豊子, 深瀬 宏, 家森 百合子, 弓削 マリ子
    1987 年 19 巻 1 号 p. 16-21
    発行日: 1987/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Vojta法の治療効果の基礎は, 早期治療開始につづく長期訓練継続である.長期訓練が必要な際は親への充分なサポートがなされることが望ましいので, 4歳時の歩行の予後を予測する試みを行った.
    1978年から1982年までに初診の脳性麻痺あるいは脳性麻痺危険児で, 1年以上の訓練を充分に行ったけれど, 現在状態が脳性麻痺である93例につき検討した.
    予後推定の項目は, 初診時の腹臥位あるいは移動運動の発達レベル, 型分類, CT所見および知恵遅れを用いた.いずれも統計的に有意に有用であった.各項目を組み合わせて予後推定を行ったところ86.2%の正確さで予後推定が可能であった.
  • 宮野前 由利, 吉田 昭, 野本 直記, 吉岡 博
    1987 年 19 巻 1 号 p. 22-28
    発行日: 1987/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    生後1カ月から7歳までのダウン症候群の小児50名に体性感覚誘発電位 (SEP) を, 45名に聴性脳幹反応 (ABR) を併せて行った.
    SEPでは, N20潜時の身長換算値 (N20/Ht) と, 中枢伝導時間 (N20-N13) の値が, 対照群に比べダウン症候群で1歳以降遅延した.また環軸椎脱臼合併の2例では, 脊髄圧迫症状の有無を確認するのに有用であった.ABRでは10名にI波潜時の消失・遅延を伴う耳鼻科的異常が認められた.残り35名のI-V波間潜時は対照群より短かく, 特に2~3歳以降その差が著明となった.これらの所見より, 体性感覚路の成熟遅延および脳幹部の狭小化が推測された.
  • 相原 正男, 井合 瑞江, 竹内 明男, 玉井 和人, 田辺 雄三, 斉藤 能厚, 後藤 実千代, 中島 博徳
    1987 年 19 巻 1 号 p. 29-36
    発行日: 1987/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    中枢神経疾患児4名を対象とし, MRIを施行した.Picker社製超伝導NMR-CTを使用し, 撮像条件を変えた各種画像での病巣と周囲組織のコントラストを比較し, あわせてCTとの検討も行った.
    福山型筋ジストロフィー症では, 皮質下白質は広汎な高信号 (T2強調画像) および低信号 (T1強調画像) として描写されたが, 冠状断におけるT1強調画像では視床, 内包および脳梁の一部は高信号を示し, ミエリン形成を認めた.急性再発型散在性脳脊髄炎では, CTおよびT1強調画像よりも, T2強調画像で鮮明に病巣をとらえられた.結節性硬化症2名では, CTおよびT1強調画像で認めにくい灰白質の結節がT2強調画像でより明瞭に認められた.
    T2強調画像は病変を鋭敏にとらえられ, T1強調画像はミエリン形成の描写に優れていた.
  • 神山 潤, 中野 今治, 森 和夫
    1987 年 19 巻 1 号 p. 37-41
    発行日: 1987/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    重症心身障害者5名に認めた眼瞼の不随意運動 [blepharoclonus (BC)] を記載した. 急に眼前に手を差出すことにより, 両側の眼瞼に誘発されるこの不随意運動は, 表面筋電図上は, 12~13Hzの規則的な両側同期した眼輪筋の収縮としてとらえられた.頭部CTスキャン上, 全例に頭頂ないし側頭部に低吸収域あるいは萎縮像を認めた.聴性脳幹反応上, V波潜時は全例正常であったが, 4例に施行し得た眼輪筋反射では, 1例に早期成分の潜時の遅延と左右差を, 2例で後期成分の潜時の遅延を認めた.BCの機序に関し, 若干の考察を行った.
  • 水口 雅, 中村 安秀, 永野 哲, 玉川 公子, 小宮 和彦
    1987 年 19 巻 1 号 p. 42-49
    発行日: 1987/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Agyria-pachygyriaの2症例につき, 睡眠・覚醒リズムの観察と終日ポリグラフを行い, 検討を加えた.
    症例1 (agyria) のリズムは部分的にフリーランの傾向を有し, 症例2 (pachygyria) のリズムは2歳以降典型的なフリーランとなった.
    ポリグラフ上, 睡眠中の各パラメータ (脳波・眼球運動・頤筋筋電図・体動など) は点頭てんかんの影響によると考えられる異常を呈した.反面では, おのおのの変動の周期性および相互間の同期性が出現し, REM期の諸特徴を兼ね備えた睡眠段階を形成していた.
    本奇形の脳において, circadianおよびultradian rhythmの生体時計は形成されているが, その環境への同調 (entrainment) を司る機構が強い障害を受け易いものと考えられた.
  • 梶山 通, 早川 武敏, 伊芸 光子, 楠本 純司, 中野 和俊, 宮沢 裕子, 篠崎 昌子, 三石 洋一, 粟屋 豊, 福山 幸夫
    1987 年 19 巻 1 号 p. 50-57
    発行日: 1987/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    歳未満 (新生児期を除く) 発症の無熱性痙攣患者中, 初回脳波でてんかん性異常波を認めなかった123例中68例を, 平均5年6カ月間に亘り, 臨床的・脳波学的に追跡した.最終観察時よりさかのぼって満2年以上発作がないものを抑制群 (53例), その期間に発作があったものを存続群 (15例), 観察期間が満4年に満たなかったものを非追跡群 (55例) とし, これら3群の臨床的特徴を比較検討した.
    1) 抑制群および非追跡群は, 存続群に比し, 乳児痙攣の家族歴陽性例, 下痢を誘因とする例, 発作群発, 精神運動発達正常例, 初回脳波正常例が有意に多かった.
    2) 経過観察中てんかん性脳波異常を呈したのは, 存続群5例 (33%), 抑制群4例 (17%) であり, 前者は焦点性かつ持続性, 後者は全汎性かつ一過性であった.
  • 山谷 美和, 村上 美也子, 紺田 応子, 小西 徹, 鈴木 好文, 岡田 敏夫, 本間 一正
    1987 年 19 巻 1 号 p. 58-62
    発行日: 1987/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    排尿によって誘発されたてんかんと思われる女児例を報告した.症例は8歳.排尿時あるいは直後, 右上肢に力が入らなくなり右下肢の間代性けいれんに至る発作が出現.発作が長く続くと強直間代性けいれんに至ったり, 意識減弱を伴うこともあった.carbamazepineの投与により発作の抑制が認められたが, 減量に伴って再発発作時脳波は約2Hzの全汎性不規則棘徐波結合を呈していた.本例は, 臨床発作像・抗けいれん剤の効果・発作時脳波等から, 従来より報告されている排尿失神とは異なり, てんかんの一型と考えられた.
  • 村上 貴孝, 杉本 健郎, 禹 満, 西田 直樹, 小林 陽之助, 上田 恵, 長谷 豊
    1987 年 19 巻 1 号 p. 63-67
    発行日: 1987/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    在胎29週, 1,450gで出生し, 生後7カ月時に発熱, 嘔吐, 下痢で発症した急性脳症の1例を経験した.臨床経過, 血液検査所見から臨床的にReye症候群 (以下RS) と診断したが, 肝臓の組織学的検索にてRSの病理像とは異なる所見を得た.
    死亡4時間前の血清アミノ酸分析にてフェニルアラニン (以下Phe) の著増を認めたため, 肝の酵素学的検索を行ったが, Phe代謝経路における酵素欠損は証明できなかった.
    現在まで高Phe血症を示した急性脳症の報告はなく, このような症例の病態解明にアミノ酸分析および肝酵素検索が必要と思われる.
  • 浅野 登, 大井 静雄
    1987 年 19 巻 1 号 p. 68-69
    発行日: 1987/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    巨頭症を伴った偽脳腫瘍の1例を経験した.臨床所見は頭痛, 嘔気, 視力障害等を主訴とし, +2SD以上の頭囲拡大が合併していた.気脳写, 頭部断層撮影上脳室拡大, 頭蓋内占拠性病変は認められず, 腰椎穿刺にて250mm H2O以上の頭蓋内圧亢進があり, 偽脳腫瘍の病態が示唆された.頭囲拡大の成因は長期にわたる頭蓋内圧亢進と考えられたが, 検索上系統的骨疾患, 代謝性疾患はなく, また髄液循環動態は正常であり, 小児偽脳腫瘍の特異な一面を示すものと考えられた.術前, 術中, 術後の頭蓋内圧測定を行い, 側頭下減圧術の有効性が確認された1例であった.
  • 田角 勝, 奥山 和男, 尾本 和彦, 向井 美恵, 金子 芳洋
    1987 年 19 巻 1 号 p. 70-72
    発行日: 1987/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    口腔機能を評価するための方法として, 超音波断層法が用いられ始めている.我々はB-モード超音波断層法にM-モードを併用することが, 吸啜, 嚥下, 呼吸の協調運動を調べるのに有用であることを示した.
  • 平松 公三郎, 後藤 一也, 小川 昭之, 山下 裕人
    1987 年 19 巻 1 号 p. 72-73
    発行日: 1987/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    生後1カ月の結節性硬化症の剖検例において, その脊髄を一般病理学的染色法で観察するとともにGolgi染色にて, ニューロンの樹状突起を半定量的に検討した.脊髄の各レベルにおいてニューロンの減少はみられず, グリアの増加も認めなかった.ただし, 胸髄白質の中に好酸性の大型細胞を認めた.Golgi法で鍍銀された脊髄ニュ-ロンの第一次樹状突起は, 前角運動ニューロンでは, 数が7.67±1.37本, 幅が6.11±1.75μm, 幅の合計が45.11±7.79μmであった.脊髄固有ニューロンでは, 数が4.00±1.29本, 幅が4.46±1.16μm, 幅の合計が17.87±8.66μmであった.
  • 桜川 宣男
    1987 年 19 巻 1 号 p. 74-78
    発行日: 1987/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Niemann-Pick病のルーツをたどると, 1914年Albert Niemannが助手の時に記載した論文にたどりつく.新しい疾患を発見する際の, 慎重にして大胆さが論文の随所にうかがわれ, 読者をひきつけて最後まで読破させる技術は巧みといわざるを得ない.Niemannは病理組織学的所見より本症を変性疾患として位置づけ, 代謝障害について婉曲に言及している.その後1922, 1927年に, L. PickによりNiemann-Pick病としての独立疾患の提唱, さらに1966年BradyらによるSphingomyelinase欠損症の発見へと発展してきている.Niemannの報告例は現在の分類ではタイプA型に相当するが, その臨床徴候と病理学所見は今も変わるものではない.Niemannのその慧眼さは今も燦然と輝いている.
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