脳と発達
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血清フェニルアラニンが高値を示したReye様症候群の1例
村上 貴孝杉本 健郎禹 満西田 直樹小林 陽之助上田 恵長谷 豊
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1987 年 19 巻 1 号 p. 63-67

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抄録

在胎29週, 1,450gで出生し, 生後7カ月時に発熱, 嘔吐, 下痢で発症した急性脳症の1例を経験した.臨床経過, 血液検査所見から臨床的にReye症候群 (以下RS) と診断したが, 肝臓の組織学的検索にてRSの病理像とは異なる所見を得た.
死亡4時間前の血清アミノ酸分析にてフェニルアラニン (以下Phe) の著増を認めたため, 肝の酵素学的検索を行ったが, Phe代謝経路における酵素欠損は証明できなかった.
現在まで高Phe血症を示した急性脳症の報告はなく, このような症例の病態解明にアミノ酸分析および肝酵素検索が必要と思われる.

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© 日本小児小児神経学会
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