脳と発達
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古典型Pelizaeus-Merzbacher病と考えられる一家系における聴性脳幹反応, 脳CTおよび磁気共鳴画像の観察
塩見 正司大国 英和杉田 隆博
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1987 年 19 巻 3 号 p. 210-215

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抄録
臨床的に, 伴性劣性遺伝をしめす古典型Pelizaeus-Merzbacher病と考えられる一家系を報告した.5男子の罹患があり, 3歳と2歳の兄弟とその母方の伯父を診察することができた.病歴および症状は典型的であった.兄弟の聴性脳幹反応では, III波以後が低-無反応であった.脳CTでは, 兄で, 軽度の脳萎縮がみられるが, 弟は正常である.伯父では, 大脳, 小脳, 脳幹の萎縮と半卵円中心の低吸収化がみられた.兄弟の磁気共鳴画像では, いずれも, inversion-re-covery法で, 大脳白質の髄鞘化の遅れが示唆され, spin-echo法では, 皮質よりも, 皮質下白質の方が高信号であった.
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© 日本小児小児神経学会
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