抄録
Neuronal ceroid-lipofuscinosis (NCL) 29例の皮膚, リンパ球を電子顕微鏡学的に観察し次の結果を得た. (1) 幼児型と同様な症状を示す症例中に, 発病年齢が遅く, リンパ球に特徴的な封入体を持ち, 幼児型と若年型の間に位置する-亜型 (early juvenile type) の存在が確認された. (2) リンパ球の微細形態は, NCLの診断や亜型の鑑別に有用であり, curvilinear profiles (CLP) は幼児型, fingerpnint profiles (FPP) はearly juvenne型, 空胞内のFPPは若年型を示唆した. (3) リンパ球に見られる封入体の頻度, 形態は経過観察中に変化を示さなかつた. (4) 皮膚生検はNCLの診断には有用であるが, 封入体の形態は乳児型を除く他の亜型と相関しなかった.