1988 年 20 巻 4 号 p. 331-336
左手関節より末梢部の伸展・屈曲により痙攣発作が誘発される運動覚性反射性てんかんの1乳児例を経験した. 本例は, これまで報告された運動覚性反射性てんかんの中でも最も幼少期の発症であったこと, また, 周産期の低酸素性虚血性脳症が原因で, Lans-Adams症候群やreticular reflex myoclonusなどとの類似性が考えられることなどいくつかの興味深い点が見られた. また, この痙攣は, 種々の抗痙攣剤に対し治療抵抗性で, 抗痙縮剤baclofenにより初めて抑制された. これは, 今までに報告がなく, その作用機序なども含めて報告した.