脳と発達
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正中神経刺激による短潜時体性感覚誘発電位
田山 正伸橋本 俊顕
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1989 年 21 巻 2 号 p. 128-137

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抄録

正常小児における正中神経刺激による短潜時体性感覚誘発電位 (SSEP) の発達に伴う変化および種々の小児神経疾患の診断におけるSSEPの有用性ならびにその限界について検討した;正常小児のSSEPの波形は成人のものとほぼ同様であったが, 発達により頂点潜時および頂点間潜時が変化し, 頂点潜時は身長や上肢長との間に正の相関を示した.各頂点潜時および各頂点間潜時の身長1mあたりの換算値は加齢とともに減少した.神経疾患患児でのSSEPは, 体性感覚路に障害がおよんでいる症例に異常がみられた.しかし, SSEPは病変部位の下限を推定することが可能であるが, 病変部位の正確な範囲を診断することが困難である.

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© 日本小児小児神経学会
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