脳と発達
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自閉症の神経生理学的検討
小川 昭之
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1989 年 21 巻 2 号 p. 163-169

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抄録
自閉症が「脳障害を基盤とした発達障害」とする考え方が以下の神経生理学的研究によって裏づけられつつある.すなわち, 1) 大脳皮質誘発電位では感覚, 特に聴覚情報処理障害がみられ, 2) 脳波定量解析では (a) 側性分化の低下,(b) 前頭葉α2波の活動性増加,(c) 2次元脳電図で正常群に比較して前頭部α2波活動の有意な分布がみられ, 3) 脳幹機能障害が,(a) ABRのI-V潜時の延長 (75%) (b) 前庭反射の低下,(c) SSEPの潜時延長としてみられ, 4) 認知機能障害としてP300の出現と振幅の低下 (反論あり) があるが, CNVには変化がないとされている。以上の研究成果から自閉症の責任病巣として脳幹機能障害が想定されている (Ornitz EM, 1985).
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© 日本小児小児神経学会
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