抄録
進行性顔面半側萎縮症の1症例に対し, 新しい治療の試みとして, 星状神経節ブロックを施行した. 発病から治療開始までの3年間, 萎縮は著明に進行したが, 治療開始後, 進行は見られなくなった. 治療を1年4カ月間施行し, さらに治療終了後4年間経過を観察したが, 萎縮の程度は治療開始時と不変であった. 本症例における経験のみから, 神経ブロックが本疾患の進行を停止させる上で有効であると断定することはできなかった. しかしこの治療は, 頸部交感神経の慢性的刺激が本疾患の成因であるとする有力な説に立脚しているので, 今後の検討に値するものと考えられた.