抄録
典型的な重症型ネマリンミオパチーで, 9歳の現在まで生存している女児例を報告した. 筋症状は重度で, 抗重力運動はほとんどみられない. これら非進行性の筋症状にもかかわらず, 肺性心は徐々に進行している.乳児期より発症する重症型ネマリンミオパチーは, 予後不良な疾患で, 多くは2歳までに呼吸不全のため死亡する. この型のネマリンミオパチーとして, 本症例は, 調べ得た範囲では, 世界最年長である.
重度の障害にもかかわらず, 言語指導, 電動車椅子の導入により, 患児の生活範囲は, 拡大しつつある.