脳と発達
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乳児期発症重症型ネマリンミオパチーの最年長生存例: 9歳女児
野田 泰子坂井 香織東條 恵桜川 宣男有馬 正高
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1990 年 22 巻 1 号 p. 82-85

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抄録
典型的な重症型ネマリンミオパチーで, 9歳の現在まで生存している女児例を報告した. 筋症状は重度で, 抗重力運動はほとんどみられない. これら非進行性の筋症状にもかかわらず, 肺性心は徐々に進行している.乳児期より発症する重症型ネマリンミオパチーは, 予後不良な疾患で, 多くは2歳までに呼吸不全のため死亡する. この型のネマリンミオパチーとして, 本症例は, 調べ得た範囲では, 世界最年長である.
重度の障害にもかかわらず, 言語指導, 電動車椅子の導入により, 患児の生活範囲は, 拡大しつつある.
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© 日本小児小児神経学会
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