1990 年 22 巻 4 号 p. 386-391
覚醒時および睡眠中の周期性無呼吸, 著明な精神運動発達遅滞, 筋緊張低下, 筋萎縮, 小奇形を呈する3歳男児例を経験したのでその病態生理につき検討した. 睡眠ポリグラフによると無呼吸は中枢性でありREM期に至るとその頻度が減少した. Spindle, hump等は出現せず睡眠段階の細分は困難でありREM期自体の持続も短く睡眠構築にも異常がみられた. 覚醒中にも無呼吸時には筋緊張が減弱し無呼吸後の呼吸再開に同期して筋緊張が一過性に亢進した. 動脈血二酸化炭素分圧, 酸素飽和度に著変なく, 呼吸および睡眠-覚醒サイクルを制御する脳幹の機能的異常が想定された.