脳と発達
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重症心身障害児にみられたcarnitine palmitoyltransferase欠損症の1例
鈴木 文晴平山 義人平野 悟高橋 立子埜中 征哉杉江 秀夫杉山 成司
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1991 年 23 巻 1 号 p. 93-97

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抄録
従兄弟婚の両親から生まれた出生前の不明の原因による脳障害と推定されていた重症心身障害児が, 13歳の時点で軽症の感染を誘因に横紋筋融解・ミオグロビン尿症を発症した.生検筋の生化学的検討から本児はcarnitinepalmitoyltransferase (CPT) 欠損症と診断された.保存的治療により患児は約1カ月後に症状・検査所見とも正常化した.本症は稀な疾患であり, さらにこれまでの報告では平素健康であった例が多く, 本児のように乳児期発症の重症心身障害児の報告は現在までない.CPT欠損が本児の以前からの障害の原因であるのか, あるいは全く偶然の合併であるのか明らかではないが, 極めて稀な1例であると考えられた.
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© 日本小児小児神経学会
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