脳と発達
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小児期発症のてんかんにおける発作誘発因子の検討
小西 徹長沼 賢寛本郷 和久村上 美也子山谷 美和岡田 敏夫
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1992 年 24 巻 3 号 p. 238-243

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抄録
小児期発症のてんかん患者264例においてアンケート形式で発作誘発因子の保有率, 種類を調査した. その結果, 1) 136例 (51.5%) で何等かの誘発因子を認めた. 2) 発熱および感染症が最も高頻度で, 身体的疲労, 睡眠障害, 精神的ストレス等が続いたが特殊な知覚刺激は少なかった. 3) 年齢によって発作誘発因子の種類は違っていた. 4) てんかん症候群によっても誘発因子は異なり, 症候性部分てんかん, 覚醒時大発作てんかんで高頻度であり, また発作難治例に高頻度であった. 5) 発作好発時間帯によっても異なり, 夕方に発作がある例に多く認めた. 以上より, 発作誘発因子は小児においても少なからず認められ, 臨床症状と密接に関係していることが示唆された.
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© 日本小児小児神経学会
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