脳と発達
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小児特発性末梢性顔面神経麻痺における電気生理学的検査の検討
安元 佐和満留 昭久緒方 博子大府 正治
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1993 年 25 巻 1 号 p. 21-25

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抄録
小児の特発性末梢性顔面神経麻痺 (ベル麻痺) 患者28例に顔面神経伝導検査および17例に眼輪筋反射を施行した.顔面神経伝導検査では, 直接反応電位の健側でのM波振幅を100%とし患側の健側に対するM波振幅比率を検討した.0%3例, 25%以下9例, 26~50%7例, 51%~75%5例, 76%以上4例で患側における振幅の低下が特徴であり, 予後良好な例ではM波振幅比率が早期に改善する傾向があった.眼輪筋反射では患側刺激における反応のタイプをType I (患側R1R2健側R2が出現) 6例, Type I (患側R2が出現しない) 2例, Type III (患側健側R2が出現しない) 2例, Type IV (健側のR・のみが出現) 3例, Type V (両側無反応) 4例に分類した.Type Iでは2カ月未満で治癒する例が多く予後良好であった.顔面神経伝導検査および眼輪筋反射は小児の特発性末梢性顔面神経麻痺において病初期より経時的に施行すればその予後判定に応用しうると考えられる.
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© 日本小児小児神経学会
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