脳と発達
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先天性サイトメガロウイルス感染症の中枢神経障害の病態-MR angiographyの有用性につい
伊東 茂子下泉 秀夫宮尾 益知柳澤 正義
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1993 年 25 巻 2 号 p. 178-180

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抄録
重度の中枢神経症候を呈し, 特徴的な画像所見を示した先天性サイトメガロウイルス感染症の小児を経験した.症例は頭部超音波検査および頭部CTで石灰化像を認め診断に至った.MRIでは脳回異常, 脱髄, 髄鞘化遅延などの脳実質病変が明瞭に認められ, これらの所見は, 組織破壊と形成異常によると考えられた.また, 今までに本症の脳血管造影の報告はないが, MR angiographyにて血管異常を認め, ウイルスの神経細胞への直接浸潤のみならず, 脳血流障害と脳形成異常との関連が疑われた.
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© 日本小児小児神経学会
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