脳と発達
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筋線維タイプの分布異常を認めた多発性関節拘縮症の1例
和田 博子劉 亜梅木藤 嘉彦成田 奈緒子西尾 久英松尾 雅文中村 肇伊東 宏
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1993 年 25 巻 2 号 p. 175-178

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抄録
多発性関節拘縮を示した児の筋について組織学的検討を加え, 大群萎縮のWerdnig-Hoffmann病様の神経原性筋萎縮所見を認めた.しかし非萎縮筋・萎縮筋ともに筋線維のタイプ分類では, 大部分の筋束でタイプ2A線維優位と幼若なタイプ2C線維の異常な増加を認めた.本例は, 胎児期早期に生じた筋の神経支配の脱落あるいは異常による筋の分化・成熟の異常が, 伸筋.屈筋群の筋緊張の不均衡をもたらし, 多発性関節拘縮を惹起したものと思われた.
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© 日本小児小児神経学会
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