脳と発達
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病理: 先天性および出血後水頭症
高嶋 幸男福水 道郎
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1994 年 26 巻 3 号 p. 216-221

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抄録
先天性中脳水道狭窄は種々の発生学的時期に生じ, 脳幹の脳室周囲灰白質には微細な異形成や成熟異常があり, とくに脳奇形を伴った群に多い.また, Arnold-Chiari type II奇形では, 脳幹の脳室周囲に形成異常は少ないが, グリアや神経線維の発達が不良である.一方, 新生児出血後水頭症では中脳水道周囲にグリオーシスが強く, 神経線維の発達障害も多い.脳室壁の線維化はヘモジデリン沈着部に, 浮腫, 脳室上衣細胞脱落, ミクログリア, アストログリアの反応によって生じる.このように, 水頭症の発生時期, 病因および2次的変化によって脳幹に異なった神経伝達や髄液循環障害が生じると考えられる.
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© 日本小児小児神経学会
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