脳と発達
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食道裂孔ヘルニアに伴う食道・胃潰瘍の心・大動脈系への穿通
重症心身障害児 (者) における致死的合併症として
山田 和孝笛木 昇伊藤 昌弘平澤 恭子鈴木 典子倉田 清子高田 邦安佐藤 順一森松 義雄
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1994 年 26 巻 4 号 p. 335-339

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抄録
食道裂孔ヘルニア (HH) あるいは胃食道逆流現象 (GER) は重症心身障害児 (者) に稀ならず認められる合併症である. これらの症状を示した3症例のうち, 剖検によって, 2例ではそれぞれ, 食道潰瘍の胸部大動脈への穿通, 胃潰瘍の左心室への穿通による大量出血が死因となったことが確認され, 他の1例では直接死因は肺炎であったが, 食道潰瘍底はすでに腕頭動脈に達していて, さらに進めば同様に大量出血をきたした可能性が示された. HHやGERを合併する重症心身障害児 (者) においては全身状態のまだ比較的良好な早期のうちに外科的治療を含む最善の対策を検討する必要がある.
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© 日本小児小児神経学会
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