低酸素性虚血性脳障害による新生児両側基底核視床障害児 (BBTL) 7例の臨床症状, 臨床経過, 脳障害度を検討した. 7例とも固縮を伴った痙性四肢麻痺で大島分類1に相当した. 追視, 固視はある程度保たれており, 嚥下障害がみられた. 筋緊張亢進, 嘔吐, 吐血, 閉塞型呼吸障害は経年的に悪化する傾向がみられた. 頭部CT-scanでは大脳は比較的保たれているが, MRIでは広範な脳障害が示唆され, 聴性脳幹反応も施行した全例で異常であった. 妊娠分娩歴では出生時仮死と生直後哺乳力低下を持つものが高率であり, 分娩時の脳侵襲もその発生に重要かと思われたが, 広範な脳障害からは更に長期, 重篤な脳侵襲の存在が予想された. BBTLは脳幹を含めた広範な脳障害を伴っており, 発症時期, 発症機構を明らかにすることが重要である
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