脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
福山型先天性筋ジストロフィーの短潜時体性感覚誘発電位
CT, MRI像との対比
難波 由喜子前垣 義弘前岡 幸憲芳村 勝城宝道 定孝石井 尚吾大谷 恭一竹下 研三
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 27 巻 5 号 p. 376-381

詳細
抄録
福山型先天性筋ジストロフィー7例にて頭部CT, MRIと短潜時体性感覚誘発電位 (SSEP) を検討した. CTでは, 小児例は4例全例に, 成人例は3例中1例に大脳白質の低吸収域 (LD) を認めた. 乳幼児例2例のMRIで同部位はT1強調画像で低信号, T2強調画像で高信号を呈し, この異常信号域は加齢により縮小した. SSEPのN1は, 乳児例では同定不能または低振幅で, 潜時に延長がみられ, 加齢により改善する傾向があった. 2歳以上の症例では, N1-P3間潜時に遅れはなく, LDのみられた年長児例および成人例のみ低振幅であった. 乳幼児期のSSEPのN1の低振幅, 潜時の延長は, 画像所見と対比し, 髄鞘化の遅延を表していると考えられた.
著者関連情報
© 日本小児小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top