乳児の哺乳行動を内視鏡で撮影して分析した. この画像は, 乳児が人工乳首を吸っているところを内側から撮影したものである. 撮影は, 受胎後週数38週から40週の問に行った. 対象は正常満期新生児20人, ローリスク早産児20人である.
哺乳行動には個人差がみられたが, 共通要素を抽出することができた. その主なものは, 口の中を密閉するために口唇が乳房へ密着する度合い, 舌が乳首を包む程度, 舌の蠕動様運動の幅と, その他6項目である.
項目ごとに動きの水準を,「poor」を1点,「good」を2点,「excellent」を3点として3段階で評価した. 9項目の得点を合計したものは, 個人の哺乳行動の全体的な水準を表わすものと思われる.
この方法で, 正常満期新生児とローリスク早産児の哺乳行動を評価した. 両群の評価点を比較した結果, 有意差がみられた. ローリスク早産児は, 正常満期新生児より, 哺乳行動の全体的水準が低く, 全項目にも同様な傾向がみられた.
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