1999 年 31 巻 2 号 p. 177-178
症例は6歳男児.10カ月時脳炎に罹患.3歳時, 脳波上hypsarrythmiaを認めたためACTH療法施行し著効した.しかしその後再び頻回の発作を認め, 脳波所見とあわせLennox-Gastaut症候群への移行と考えられた.脳梁離断術は, 脳梁が菲薄化していることおよび脳波上の突発波の左右同期化が著しくないことより効果が期待できず見送りとなった.5歳時アトピー性皮膚炎に対しketotifen fumarateの内服を開始したところ発作が激減した.調べ得た限り同様の報告は見つからずその作用機序および効果の持続などは不明であるが, 抗アレルギー剤が難治てんかんに対する特殊療法となる可能性もあり今後の同様の症例の蓄積が望まれる.