脳と発達
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先天型Pelizaeus-Merzbacher病と思われる1症例
鍵谷 九理子福西 真理子真野 利之松岡 太郎今井 克美小野 次朗岡田 伸太郎
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1999 年 31 巻 2 号 p. 171-176

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抄録
先天型Pelizaeus-Merzbacher病 (以下PMD) と考えられる1歳3カ月男児を報告した.生直後から水平回転性眼振と後弓反張を認め徐々に筋緊張亢進が増悪し, これによる食事摂取不良, 退行を示した.聴性脳幹反応 (以下ABR) で両側ともH波以降の波を認めなかった.頭部MRIはT2強調画像にて白質は瀰漫性に高信号で, 脳幹においても髄鞘化を認めなかった.乳児期早期から発達を認めないことから伴性劣性遺伝を呈する先天型PMDと思われた.MRIでは脳幹を含む髄鞘化障害が特徴的であり, 臨床症状の重症度との関連があると考えられた.
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© 日本小児小児神経学会
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