脳と発達
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機能的脊髄後根切断術による痙直型脳性麻痺小児の治療
師田 信人
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1999 年 31 巻 4 号 p. 359-365

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抄録

機能的脊髄後根切断術を重度の痙直型脳性麻痺の男児に施行した.手術にあたっては腰仙部の神経根/神経根細糸を電気刺激し, 異常反応を示すものを切断した.また, 術中に神経生理学的手技を用いて陰部神経の活動電位を同定し術後の排尿障害を予防した.術後, 痙性は著明に減弱し家庭内介護の負担を大幅に軽減できた.リハビリテーションを継続することにより術後1年半を経過した現在に至るまで痙性亢進による運動機能障害は認めていない.機能的脊髄後根切断術は日本ではまだ普及していないが, 痙直型脳性麻痺児の痙性を軽減するのに極めて有用であると考えられた.機能的脊髄後根切断術の歴史および概要についてもあわせて紹介した.

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© 日本小児小児神経学会
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