脳と発達
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先天性筋緊張性ジストロフィー乳幼児例の中枢神経障害
原中 美矢子遠藤 晃彦小平 隆太郎藤田 之彦高田 昌亮大久保 修原田 研介加藤 俊徳高嶋 幸男
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2000 年 32 巻 3 号 p. 268-273

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抄録

先天性筋緊張性ジストロフィー症 (CMyD) の自験例2例について脳病理所見を含めた検討を行った.臨床的には2例とも重症仮死で出生し長期間の人工換気を行っていたが, 症例1は3歳6カ月, 症例2は1歳3カ月に感染を契機に死亡した.症例1は日齢17, 症例2は日齢0の頭部画像診断で脳室拡大がみられた.病理学的には両者に共通して周産期低酸素性虚血性脳障害に起因すると考えられる所見に加え, leptomeningeal glioneuronal heterotopia (LGH) を認めた.1例では日齢0のCT所見ですでに脳室拡大がみられ, 2例の病理所見でLGHがみられたことから, CMyDの中枢神経系障害の発生には脳形成異常が基礎にあり, 周産期病態は脳障害にさらに拍車をかけていると考えられた.

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© 日本小児小児神経学会
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