脳と発達
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Focal cortical dysplasiaと認知機能障害との関連について
10年以上抗てんかん薬の内服治療を続けている2女児例での縦断的検討
沖 潤一宮本 晶恵高橋 悟
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2000 年 32 巻 5 号 p. 408-414

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抄録
Focal cortical dysplasia (FCD) におけるてんかん発作と認知障害との関連を知るため, 乳幼児期に発症した複雑部分発作が11歳で再燃した2女児例でWISC-Rと123I-IMPSPECTを10年以上にわたって検討した.左頭頂葉のFCDで計算障害や健忘性失語があった14歳女児では, 再燃後に文章の意味が解らなくなり, 言語性IQも94から63に低下した.SPECTの集積低下部位も左頭頂葉から側頭葉に及んだが, 発作消失後に改善した.左前頭葉に病変のある12歳女児では, 痙攣再燃後に言語性IQが91から76, 下位検査の「知識」の評価点が8から4に低下した.また, 左前頭葉の集積 (カウント比) も, 0.86から0.64に低下した.FCD患児では, てんかん発作が認知障害に影響を及ぼしており, 123I-IMP SPECTは両者の関連を明らかにするのに有用だった.
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© 日本小児小児神経学会
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