脳と発達
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遺伝子解析, 変異部位と臨床徴候の相関
近藤 郁子山縣 英久
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キーワード: Rett症候群, MECP2, 遺伝子変異
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2002 年 34 巻 3 号 p. 219-223

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抄録

Rett症候群患者にmethyl-CpG binding protein 2遺伝子 (MECP2) の変異が同定されて以来, 様々な遺伝子変異が同定されるようになり, 我々の検索した142例でも103名 (73%) に40種類のMECP2変異が同定された.頻度の高い8種類の遺伝子変異 (R133C, P152R, T158M, R168X, R255X, R270X, R294X, S306C) は変異患者の69%に同定され, 遺伝子変異と臨床徴候に相関が見られた.R133CとR306Cの臨床経過はpreserved speech variant typeが多く, 蛋白質の短縮を伴う変異は欠失領域が大きいほど臨床徴候の重症化が見られた.しかし, Rett症候群の臨床徴候にはMECP2以外の遺伝子の関与も示唆された.

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© 日本小児小児神経学会
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