脳と発達
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Sanfilippo症候群B型とWilson病を合併した1男児例
高浦 奈津子田中 あけみ吉田 敏子竹下 由紀子清水 教一青木 継稔玉井 浩山野 恒一
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2006 年 38 巻 1 号 p. 49-53

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抄録
5歳7カ月の男児. 乳幼児期からの頭囲拡大, 精神発達遅延, 肝機能障害を主訴に他院を受診し, 父親がWilson病患者であったことより, 同疾患を疑われたが, 確定診断には至らなかった. 顔貌よりムコ多糖症が疑われ, 当科を受診, 血清セルロプラスミン低値, 尿中銅排泄増加, 頭部MRIなどの諸検査, 尿中ムコ多糖分析, 酵素活性測定, 遺伝子解析を行った. その結果, Sanfilippo症候群B型とWilson病という原因遺伝子が異なる染色体上にある常染色体劣性遺伝の2つの代謝性疾患を合併していると診断した. 両親に血縁関係はないものと判断されたが, このような疾患の合併の報告は現在までになされておらず, 非常に稀な1男児例を経験したので報告する.
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© 日本小児小児神経学会
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