抄録
発達障害の診療は, 小児神経の特色であり, 重要分野である. 同程度の障害でありながら, その後の発達が異なる症例が存在する. この理由として, 診察医の保護者への接し方と, 保護者の児に対する養育態度に絞って, この問題をまとめてみた. 初診時の客観的健康状態は変えられないが, 医師の説明の仕方により保護者の認知を変えることは期待される. 認知が変われば養育態度も変わり, その結果, 児の客観的健康状態も変化し得るのである. 小児は必ず発達することを信じ, 希望を持って保護者にポジティブな説明を行い, 好ましい養育態度をもたらすことが重要である. これからの小児神経医は福祉・教育などの他職種と連携して, 医療モデルと医療福祉モデルをドッキングさせた新しい生活モデルを作成することが重要である.