抄録
中越大震災の被災を理由に, 当園短期入所を利用した24名について, その利用状況をまとめた. 震災による短期入所利用の特徴として, 1) 通常利用と比べて平均利用日数が明らかに長期間で, 居住地が震源地に近いほど長くなる傾向があった. 2) 震源地近郊では入所開始までに日数を要する傾向もあった. 中越大震災では200箇所を越える道路の寸断があり, 震源地付近では, 搬送に困難を要した例が多かったからと考えられる. 短期入所の利用者の割合も, 強震地域より激震地域の方が高かった.
重症心身障害児 (者) を支える行政や社会のネットワークは未だ不十分である. 中越大震災を機に, 重症心身障害児 (者) 保護・支援のためのネットワークが構築されることを期待したい.