脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
抗てんかん剤Ethosuximideの血中濃度と代謝
武部 幸侃東 卓司
著者情報
ジャーナル フリー

1977 年 9 巻 4 号 p. 298-302

詳細
抄録

純粋小発作5名, 大発作と小発作合併4名, その他のいわゆるminor seizureをもつ8名の患児の血中および唾液内のEthosuximide濃度をガスクロマトグラフィーを用いて検索し, 次の結果を得た.
1) 1ヵ月以上Ethosuximideを服薬中の症例における投与前, 投与後の血中濃度の変動は, 前値が一番低く, 投与後1~4時間で最高値に達し, 上昇の程度は10~27%でシロップ剤の方がカプセル剤投与より低かった.
2) 血中濃度と投与量はよい相関を示し, その比は平均3.2であった.Ethosuximide単独投与群の比は平均3.5で他剤併用群のそれは3.1であった.
3) 血中濃度40~50μg/ml以上で, 有効例では小発作の消失をみた.
4) Ethosuximide投与後, 血中濃度が一定となるためには6~8日間要した.
5) 測定し得た1例の半減期は46時間であった.
6) 唾液内濃度は比較的高く, 血中濃度の平均87%であった.
7) 副作用として消化器症状を3例にみた.
8) Ethosuximideの1日投与回数は1~2回で充分であると思われた.

著者関連情報
© 日本小児小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top