帯広大谷短期大学紀要
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とうふの製造過程における脂質成分の変動について
山下 昭
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1976 年 13 巻 p. A1-A8

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抄録

1.大豆,とうふ,おからの全脂質はそれぞれ17.1%,3.8%,および1.1%で,そのうち中性脂質と極性脂質の割合は三者とも約9:1であった。2.中性脂質の主な成分はトリグリセリドで,他にジグリセリド,遊離脂肪酸,ステロール類も見られた。3.極性脂質の主な成分はホスファチジルコリソとホスファチジルエタノールアミンで,他に少量のリン脂質,糖脂質,ステロール配糖体も見い出された。4.大豆,とうふ,おからを構成する主な脂肪酸はリノール酸,オレイソ酸,パルミチソ酸,リノレン酸であり,中性脂質ではリノール酸とオレイン酸が多く,極性脂質ではリノール酸とパルミチン酸が多かった。5.大豆,とうふ,おからを比べると,三者に含まれる脂質の種類は似ているが,とうふ,おからでは遊離脂肪酸とジグリセリドが大豆よりも多く,特におからで多かった。又,おからでは一般にリノレソ酸が,中性脂質,極性脂質とも低い傾向が見られた。

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© 1976 帯広大谷短期大学
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