帯広大谷短期大学紀要
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論文
十勝・札幌・八戸の子どもの基本的な生活習慣の形成に関する研究
睡眠に着目して
工藤 ゆかり
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2017 年 54 巻 p. 17-25

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抄録

保育現場から、睡眠に関する習慣形成について危惧する報告を聞く。そこで、幼稚園・保育所・認定こども園に在園する子どもを対象にアンケート調査を実施し、現在の子どもの睡眠に関する習慣の形成状況を把握した。その結果、添い寝の終期が若干遅くなるが、一人でパジャマに着替えることや就寝前の挨拶の習慣が早くに形成されるなど、早くに望ましい習慣が形成される事柄があることがわかった。
一方、睡眠時間の減少は顕著で、1936年調査よりは大幅に減少している。しかしながら、2012年調査よりは微増している状況で、2006年から展開されている「早寝早起き朝ごはん国民運動」の推進による効果が伺える。
子どもにとって望ましい睡眠の習慣を形成するには、保護者の生活の安定が重要である。多忙や孤独を感じながら、心のゆとりなく子育てをしている保護者を支援する役割が、幼稚園・保育所・認定こども園に求められている。基本的な生活習慣、特に睡眠の習慣については、家庭で形成すべき事柄ではあるが、園生活での睡眠の補完や睡眠の重要性の啓発は、今後も取り組むことが望まれる。

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