耳鼻咽喉科展望
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前頭蓋底に浸潤した鼻・副鼻腔癌に対する拡大手術
三谷 浩樹鎌田 信悦
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2009 年 52 巻 6 号 p. 461-467

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抄録

耳鼻咽喉科臨床医にとって頭蓋底はかつて馴染みの薄い部位であったが, 昨今では内視鏡の発達によりアプローチは比較的容易になった。しかし, 内視鏡で可視できる範囲は鼻腔から外頭蓋底までに限られており, 限局した癌腫を除いては現在でも内視鏡治療に適している対象は良性腫瘍・炎症であると考えられる。一方, 頭蓋底に浸潤する癌腫の手術治療として他の部位で施行されている基本戦略, すなわちen-bloc切除を考えれば, 手術操作は内頭蓋底を超えることになり硬膜・脳に影響を少なからず与えることは想像に難くない。そこで本稿では前頭蓋底切除術を取り上げ, 具体的手技や主な治療合併症, そして治療成績を紹介する。現在では多くの施設で頭蓋底手術が選択されるようになっているが, 実際の手術施行には耳鼻咽喉科単独では不可能である。前頭蓋底切除術は1980年代から行われている安定した術式であるが脳神経外科・形成外科的手技が不可欠であり, 各科の協調こそが安全な治療の遂行に結びついているといえる。

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© 2009 耳鼻咽喉科展望会
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