耳鼻咽喉科展望
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53 巻 , 6 号
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カラーアトラス
綜説
研究
  • 吉川 衛, 小島 博己, 山本 和央, 濱 孝憲, 田中 康広, 森山 寛
    2010 年 53 巻 6 号 p. 408-414
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
    病変が高度で粘膜を保存することが困難な中耳手術において, 露出した骨面に早期に粘膜を再生させるため, 中耳粘膜より上皮細胞を培養して移植を行う方法が考えられるが, その臨床応用を考えた場合, 上皮細胞の採取部位は鼻粘膜や口腔粘膜組織による代用が有用である。しかし, 移植した代用組織由来の上皮細胞が中耳粘膜由来の上皮細胞として機能するかどうかは不明であるため検証が必要である。今回われわれは, 上皮間葉相互作用に関する過去の報告をふまえ, 中耳粘膜由来の線維芽細胞が作り出す微小環境によって, 鼻粘膜や口腔粘膜由来の上皮細胞の表現型を中耳粘膜由来の上皮細胞の表現型に変化させるという仮説を考えた。その検討のため, in vitroで培養細胞を共培養し, オリゴDNAマイクロアレイと定量的Real-time PCRをもちいて遺伝子発現解析を行った。その結果, 各粘膜由来の上皮細胞はそれぞれ異なる表現型を持ち, さらに中耳粘膜由来の線維芽細胞と共培養することにより, 他臓器由来の細胞でも中耳粘膜由来の上皮細胞の表現型に近似する傾向を認めた。これらの結果から, 移植された上皮細胞は細胞周辺の微小環境により中耳粘膜に特異的な表現型へ変化をきたす可能性が示唆された。
臨床
  • 澤井 理華, 小森 学, 遠藤 誠, 加藤 孝邦
    2010 年 53 巻 6 号 p. 415-419
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
    頸部膿瘍を合併した咽頭腔外魚骨異物に対し, 喉頭直達鏡でのアプローチのみで異物除去・排膿し治癒しえた1例を経験したので文献的考察を加え報告する。症例は34歳女性でブリ摂食後からの残存する咽頭違和感を主訴に当科に紹介受診となった。初診時体温は37.4度, 左頸部に軽度の圧痛を認め, 咽喉頭ファイバースコピーでは魚骨異物は認めないものの左披裂部の軽度腫脹と左梨状窩の唾液貯留を認めた。血液検査, 頸部CT所見より咽頭腔外魚骨異物, 左頸部膿瘍, 甲状腺炎の合併と診断し同日全身麻酔下手術を施行した。喉頭直達鏡にて展開を行い, 魚骨を確認したため把持鉗子にて異物を抜去し, 頸部圧迫にて刺入部より膿汁を排泄し手術終了とした。腔外異物に対しては最初から頸部外切開で施行したとの報告が多いが, 下咽頭・頸部食道の異物を口内法で摘出しえた報告もあることより, 本症例のように侵襲の少なさを考慮し, 口内法を試みた上で治療困難と判断した場合は躊躇せず外切開に切り替えることも一つの選択肢となりえると考えた。
  • 市山 紗弥香, 谷口 雄一郎, 小島 博己
    2010 年 53 巻 6 号 p. 420-426
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
    今回我々は非常に稀である成人型特発性髄液耳漏を経験したため報告する。症例は83歳男性。数年前より左聴力低下, 耳漏の量が持続するため近医を受診したところ, テステープにて糖陽性であり, 髄液漏の疑いにて佐久総合病院を紹介受診となった。左耳の鼓膜穿孔を認め, また左耳内はやや湿潤していた。側頭骨CTでは中頭蓋窩天蓋の菲薄化を認めたが, 耳小骨や内耳に奇形などの異常は認められなかった。
    初回手術では乳突削開を行い, 髄液の漏出の有無を観察したが, 明らかな所見はなく, 上鼓室周囲の炎症による水様性耳漏と判断し, 鼓膜を閉鎖して手術を終了した。しかし1回目手術終了2週間後より, 耳後部の切開部に小瘻孔が生じ, その部位より少量の透明な液の排出がみられた。このためやはり髄液漏があると判断し, 術後1ヵ月目に2回目の手術を施行した。前回不十分であった天蓋周囲の蜂巣を十分に削開し, 念入りに観察をしたところ, 中頭蓋窩のわずかな骨欠損部より硬膜が突出しており, 髄液の間欠的な漏出を認めた。瘻孔部位を小さな結合織を挿入する型でパッキングし, 筋膜と骨パテにて被覆し, さらにフィブリン糊を用いて瘻孔の閉鎖を行った。
    術後1年以上経過しているが再発は認められない。
  • 吉田 隆一, 中島 庸也
    2010 年 53 巻 6 号 p. 427-433
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
    Aggressive fibromatosisは病理組織学的には良性腫瘍としての性質を持つが, 臨床的には悪性腫瘍に似た経過をたどり, 治療の選択に苦慮する。今回44歳女性のaggressive fibromatosis症例を経験し, 3回の手術と放射線治療によって腫瘍の消失を得た。治療の基本は手術であるが, 切除不能例も多く, 再発率の高さが問題となる。症例数がまだ少ないが, 放射線治療や薬物療法を組み合わせることによって良好な経過を得られる報告もあり, 今後適正な治療法の検討が必要である。
境界領域
  • 林 基弘
    2010 年 53 巻 6 号 p. 434-440
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
    Objective: For skull base tumors, Gamma knife surgery (GKS) is effective to control them. However, it is not possible to treat large tumors which compressed brain stem with GKS alone. Needless to say that microsurgical resection must be considered. We propose that precise preoperative treatment design and intraoperative image supporting system are crucial for them. We developed a system by incorporating a technique for Gamma Knife surgery to design a treatment plan before and during surgery.
    Methods: Magnetic resonance imaging was performed without a stereotactic frame before treatment. Image data was imported to Leksell GammaPlan (LGP) to obtain 3D localization in order to understand anatomical relationship between the tumor and surrounding vital structures.
    Results: For skull base meningiomas, the dura maters from which tumors arose were identified on LGP. Certain parts of the tumor should be spared by GKS, because there are the most important vital structures such as cranial nerves. Other parts should be then surgically removed as much as possible to be the best decompression in the tumor. For acoustic tumors, we identified facial and acoustic nerves as much as possible using this simulation technique. It can provide the best knowledge of anatomical relationship to neurosurgeons before and during surgery. Most of patients would not have experience with neurological deficits.
    Conclusions: Sophisticated 3D computerized image data in LGP enabled us to perform surgery just as planned preoperatively. This new and simple treatment system will be a precursor of future surgical treatment strategies.
画像診断
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