抄録
側頭部激痛を初発症状として突然発症し, 鼻汁から口腔内常在嫌気性菌Prevotella intermediaが検出された急性副鼻腔炎症例を経験した。症例は62歳男性で, 鼻副鼻腔の強い化膿性病変が緩解するのに発症から約50日を要した。
経過中, 本菌種の特徴ともいえる黒色色素産生や粘性物質産生が臨床病態として確認されるなどの興味ある所見が得られた。治療としてはドリペネム水和物, ファロペネムナトリウム水和物, ミノサイクリンなどが有効であった。
通院にて治療し得た嫌気性菌性急性副鼻腔炎の1例を報告した。