(緒言)アレルギー性鼻炎を疑う問診結果や鼻鏡所見が得られても血清抗体価や皮膚試験ですべて陰性で診断に難渋することがある.欧米でこうした症例はLocal Allergic Rhinitis(LAR)として論じられている.日常診療での市販HDディスクを用いた鼻誘発試験方法を用いて,ダニによるLARの可能性を検討した.スギのディスクは市販されていないため,ダニにおいてのみ検討を行った.さらにLARの鼻粘膜局所での病理組織学的所見の特徴をアレルギー性鼻炎,非アレルギー性鼻炎の同所見と比較検討し,LARの病態検討の一助とする.
(対象,方法)鼻炎症状を有し,当科で手術加療を行った21例を対象とした.①術前に末梢血のダニに対する特異的IgE抗体価の測定,②術前に鼻誘発試験(HDディスク),③下鼻甲介粘膜中のダニ特異的IgE抗体価の測定,④下鼻甲介粘膜標本のHE染色と抗CD40抗体による免疫染色を行った.
(結果,考察)21例中13例が末梢血でダニに対する特異的IgE抗体価が陰性で13例中5例がダニ抗原によるLARと考えられた.CD40陽性細胞が全ての群で観察された点からLARに関する病態メカニズムの仮説を検討し,鼻誘発法の確立や標準化がアレルギー性鼻炎診断学において重要な意義があることを示した.