耳鼻咽喉科展望
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慢性副鼻腔炎に対する抗アレルギー薬Azelastineの臨床的検討
中澤 勉久松 建一岸保 鉄也上條 篤薬袋 真理村上 嘉彦飯田 祐起子岡本 和人調所 廣之
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1991 年 34 巻 Supplement4 号 p. 331-341

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抄録
慢性副鼻腔炎の治療薬には種々あるが, 今回我々は, chemical mediator遊離抑制剤として開発された塩酸Azelastine(商品名: Azeptin)の慢性副鼻腔炎に対する効果を検討し若干の知見を得た。効果判定には, 自覚症状(鼻漏, 後鼻漏, 鼻閉, 嗅覚障害, 頭重)と他覚所見(鼻粘膜の発赤・腫脹の程度, 鼻汁の量・性状, 後鼻漏の量, 鼻茸の大きさ)とX線所見に加えデンシトメータを用い定量的に評価した。その結果, デンシトメータを用いた判定では, 32.6%でOM値の改善が認められた。全症例の平均OM値は, 投与前56.55%, 投与後64.12%と, 有意な改善が認められた。自覚症状では95.7%に, 他覚所見では90.7%に, X線の肉眼的判定では48.8%に, 総合効果判定では91.3%に有効性が認められた。
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