耳鼻咽喉科展望
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アルナートによる眩暈症例の治療
関 守広石田 博義小松崎 篤
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1991 年 34 巻 Supplement4 号 p. 343-348

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抄録

眩量症例30例に対し, 塩酸ビフェメラン (アルナート ®) 50mgを1日3回8週間投与し臨床効果を検討した。本剤は薬理作用から, i) 脳神経伝達改善作用, ii) 脳代謝賦活作用, iii) 脳虚血性障害改善作用, iv) 低酸素障害改善作用などが確認されている。このことから末梢前庭障害において, 中枢からは代償機構の促進, 末梢からは前庭機能の回復を期待できる。その結果, 自覚的, 他覚的症状ともに有意差が得られ, 8週間という比較的短期の検討ではあるが副作用を示さず, 末梢性めまい疾患の諸症状の改善に有効な薬剤であると思われた。

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