耳鼻咽喉科展望
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内視鏡下鼻内手術で開放しえた巨大な前頭洞嚢胞
吉川 衛石井 正則吉田 茂辻 富彦足川 力雄
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1999 年 42 巻 5 号 p. 505-509

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抄録
今回我々は複視, 左眼瞼下垂, 左眼球突出, 左前額部軽度腫脹を主訴とした巨大な前頭洞嚢胞を経験したので報告した。術前CTにて眼窩上壁の骨欠損とともに眼窩内に陥入する境界明瞭な巨大な嚢胞を認め, ほぼ左前頭部全体から頭頂部の近位まで広がっていた。また前頭洞頭蓋内反の消失もあり, 嚢胞が左前頭葉を広範囲に圧迫し, さらに一部脳室も圧排していたが, 前頭葉の局所徴候 (精神症状, 異常反射, 運動失調) などをきたさなかった。このような巨大な嚢胞に対しても, 我々は内視鏡下鼻内手術を選択することにより, 侵襲が少なく安全に開放することができた。
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