耳鼻咽喉科展望
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破傷風の1例
嶋根 俊和寺崎 雅子内藤 陸奥男金井 憲一洲崎 春海
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1999 年 42 巻 5 号 p. 501-504

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抄録
開口障害を主訴に耳鼻咽喉科を受診した破傷風の1例を経験した。耳鼻咽喉科には破傷風の第I期から第II期の時点で受診する可能性があり, 早期診断, 早期治療をしないと救命は困難である。とくに開口障害から痙攣出現までの期間が48時間以内の例は重症例とされ, この場合は早期に気管切開術が必要である。本症例は破傷風ヒト免疫グロブリン, 破傷風トキソイド, ペニシリンGの投与, 気管切開術後の人工呼吸器管理が早かったために重症例を救命できた。破傷風は臨床症状から診断し, 細菌検査の結果が出る前に治療が必要であった。
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