抄録
対象はいびきや睡眠時無呼吸が原因でUPPPを行った103例である。対象症例は3群に分類した。第3群の55例に対し, 術前・術後に中咽頭計測を行った。軟口蓋は平均27.2mmから平均19.5mmと短くなった。左右の後口蓋弓間の距離, 口蓋垂基部から舌根までの距離は有意に長くなった.軟口蓋を1とした時の硬口蓋の長さの比は, 術前2.1±0.5から術後2.8±0.6となった。この結果, 硬口蓋の1/3の長さか, 軟口蓋の長さになるように切除範囲を決めることが, 一つの目安と考えられた。いびきや睡眠時無呼吸のない慢性扁桃炎症例に比較し, UPPP症例は中咽頭の狭小化が著明であった。従って中咽頭計測は咽頭腔の狭小化を客観的に知りうる簡便な検査法と思われる。