耳鼻咽喉科展望
Online ISSN : 1883-6429
Print ISSN : 0386-9687
ISSN-L : 0386-9687
耳後部に生じた結節性筋膜炎の1症例
井出 里香小川 郁熊埜御堂 浩松延 毅亀山 香織神崎 仁
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 43 巻 3 号 p. 199-203

詳細
抄録

結節性筋膜炎 (nodular fasciitis) は筋膜 (主に浅在性筋膜) や皮下深部の線維性組織に孤立性の結節を生じ, 周囲皮下組織に急速な腫瘍性増殖を示す線維芽細胞や組織球の反応性増殖である。病理学的に悪性疾患との鑑別が問題となるが, 転移がなく局所の腫瘍切除で治癒し得る疾患である。
今回われわれは免疫組織化学染色を含めた病理組織検査により結節性筋膜炎と診断された症例を経験した。臨床所見や画像所見から本疾患を診断することは困難であり, 耳後部にみられる腫瘤性病変の一つとしては本疾患も念頭に置くべきものと考えられた。

著者関連情報
© 耳鼻咽喉科展望会
前の記事 次の記事
feedback
Top