耳鼻咽喉科展望
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ネブライザー機器の使用状況と問題点
大越 俊夫大木 幹文
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2005 年 48 巻 Supplement1 号 p. 30-35

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抄録

今回は「ネブライザー機器の使用状況と問題点」としておもにネブライザー機器本体の使いやすさ, また汚染などに対する保守・点検などを問題点として取り上げ検討した。方法は全国の大学病院耳鼻咽喉科73施設, 実地医家の先生方92施設の計165施設に対しアンケート調査を行った。アンケート内容はネブライザー治療の有無, 使用機種および作製メーカー, 使用上の注意点, ネブライザー機器の点検の有無, 希望する改良点などについて行った。
その結果, 大学群ではネブライザー治療を行っている施設は56施設 (76.7%), 行っていない施設は17施設 (233%) であった。実地医家群では全92施設においてネブライザー治療が行われていた。使用機種別に見ると, 大学群56施設中, ジェットネブライザーのみが39施設, 超音波のみが8施設, 両方使用が9施設であった。
実地医家92施設では, ジェットのみ56, 超音波のみ7, 両方使用29施設であった。
ネブライザー機器に対し何らかの点検を行っていた施設は大学群41 (73.2%), 実地医家群69 (75%) であった。機器の点検はメーカーに依頼されていることが多かった。ネブライザー機器使用の注意点, 希望改良点は両群とも同じであり, 注意点は機器の消毒, ネブライザー液の汚染や細菌感染, 薬剤アレルギー, 部屋の換気などであった。希望改良点は消毒しやすい機器の開発, 噴霧液の逆流防止, 機器の小型化・軽量化, モーター音の改善などであった。

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