Otology Japan
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原著論文
硬化性病変を合併した真珠腫性中耳炎の検討
原 真理子長谷川 雅世松澤 真吾児玉 梢新鍋 晶浩金沢 弘美吉田 尚弘飯野 ゆき子
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2011 年 21 巻 3 号 p. 222-226

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抄録
真珠腫性中耳炎は骨破壊性の病態を示すことが多いが、鼓室硬化症のような硬化性病変を伴う場合もある。今回私どもは、硬化性病変を合併した真珠腫性中耳炎症例に着目し、臨床的特徴を検討した。対象は、2006年3月~2010年3月の4年1カ月の間、鼓室形成術を施行した真珠腫性中耳炎新鮮例168例176耳であり、そのうち硬化性病変合併例は33例33耳であった。これらの硬化性病変合併例と非合併例に関し、以下の点につき臨床検討を行った。(1)年齢、(2)性別、(3)真珠腫の型別の硬化性病変合併頻度、(4)硬化の部位、(5)病理組織像、(6)真珠腫を除いた慢性中耳炎に伴った鼓室硬化症10例10耳との比較。その結果、先天性真珠腫も含め真珠腫の型によらず硬化性病変は認められ、真珠腫上皮と硬化性病変が隣接して存在する場合が多く、真珠腫性中耳炎と硬化性病変に何らかの特有の関連性が考えられた。さらに真珠腫性中耳炎に特徴的な硬化性病変の可能性も推測された。
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© 2011 日本耳科学会
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