2011 年 21 巻 3 号 p. 227-232
アブミ骨手術におけるアブミ骨脚切断に際し、スキータードリルを用いることの適否を、KTPレーザーを用いた手術と比較して評価した。対象は2004年4月から2009年12月に当科で手術した24耳 (KTPレーザー群12耳、スキータードリル群12耳) であり、術直後の内耳障害として、術後のめまい、耳鳴の有無、骨導聴力に関して0.5kHz、4kHzにおける術直後および術後1年の骨導聴力、聴力成績として術後1年の聴力を日本耳科学会の伝音再建後の術後聴力成績判定基準 (2010) に従い評価した。術後のめまい、耳鳴、骨導聴力、および聴力成績はいずれもKTPレーザーを使用した群とスキータードリルを使用した群で有意差を認めず、スキータードリルをアブミ骨手術における脚切断法の選択肢の一つに加えて良いと考える。